個別指導塾向けシステムを開発する場合〜お問合せからお見積りまで〜

個別指導塾の業務効率化に必要なシステムを開発したいというご相談を先日お受けしましたので、フィクションを交えて、ストーリー形式で要件を固めていく様子をお届けしたいと思います。

まずは、お問合せフォームからご連絡

まず、当社にシステム開発をご依頼頂く場合は、お問合せフォームから簡単にどんなシステムの開発をご検討されているかご記載の上、ご連絡いただくことが多いです。※もちろん、お電話いただいても大丈夫です。

ご担当者様

はじめまして。
◯◯株式会社の◯◯◯◯と申します。

当社は個別指導塾を5校舎運営しておりますが、
業務効率化を図るため、システムの開発を検討しています。

つきましては、
お見積りをお願いしたくご連絡させていただきました。

どうぞよろしくお願いいたします。

◯◯株式会社
◯◯◯◯

当社から、システム要件をより詳細にお伺いするため、お打ち合わせのスケジュール調整をさせていただきます。

◯◯株式会社
◯◯◯◯様

有限会社シーエスエフの□□と申します。

この度はお問合せありがとうございます。

個別指導塾の運営をシステム化して、効率化されたいとのことですね。

システムのお見積りにあたって、より詳細にご要望をお伺いさせていただきたいので、まずはご要望をヒアリングさせていただきたいと思います。

(省略)

有限会社シーエスエフ
□□

このような感じで、見積もり前に事前のご要望をヒアリングするお打ち合わせをセッティングさせていただきます。

お見積り前のお打合せ

日程調整後、初回打ち合わせをさせていただきます。基本的にはZoomを活用したオンラインでの打ち合わせをお願いしていますが、どうしても対面でのお打合せが必要な場合は、必要に応じて対応させていただきます。

お見積り前のお打合せの目的は、システムに対するご要望をより詳しくお伺いすることです。個別指導塾のシステムを開発する場合は、次のような感じでヒアリングさせていただきます。

お打合せ開始

エンジニアX
当社担当エンジニアX

この度はお問合せいただきましてありがとうございます!それでは早速ですが、今回どのような背景でシステムを開発しようとお考えになられたのかお伺いさせていただいてもよろしいですか?

まず、システム開発のお見積りをご依頼いただいた背景をお伺いさせていただきます。御社の置かれている現状と、当社に何が求められているのか、できるかぎり、正確にお伺いしたいと考えています。たとえば、

  • 他社に見積もりを依頼したけど、値段が妥当かどうか分からなかったので、相見積りを取りたいと考えている。
  • 今まで、◯◯という予約システムと、Excelを使って業務を回していたが、今後の多校舎展開を見据えて、バックエンド業務をシステム化して、効率化したい。
  • 他社のパッケージを使っているが、どうしても自社の業務に足りない機能がある。

など、当社に遠慮することなく、ありのままの状況を教えていただけるとありがたいです。御社の状況に合わせたご提案をするためにも、ぜひご協力ください。

今回のストーリーではこんなふうにお客様から言われました。

お客様
システム担当お客様

当社はまだまだ校舎数が少ないこともあり、紙やExcelを使って、かなりアナログな形で運営してきたんですが、そろそろ限界が来ていると感じたからです。

いろいろと他社のパッケージなどを検討したんですが、当社の要望を満たすパッケージが残念ながらありませんでした。今回、お見積りをお願いしたのは、完全に自社開発する場合、どのくらいの金額になるか知りたいと思ったからです。

多少無理やり感が漂っていますが、今回は、お客様専用のフルカスタマイズのシステムを開発するという前提でお話を進めてみたいと思います。

御社のご要望を明確に

エンジニアX
当社担当エンジニアX

ありがとうございます。大体、お見積りに必要となる情報をお伺いすることができました。これから、お見積りの作業に入りたいと思いますが、最後にご希望される納期をお伺いできますか?

今回のお客様の場合、3校舎で運営されていますが、かなりアナログで運営されていたようです。そのため、4校舎目、5校舎目と校舎を増やしていく前に、業務をシステム化して、仕組み化されたいとのことですね。

また、すでに他社のパッケージ等はご検討され、必要な機能が明確になっているようです。

箇条書きレベルでも御社として必要な機能がまとまっていると、ヒアリングは非常にスムーズに進むでしょう。

もちろん、御社のご要望がまとまっていなかったとしても、しっかりとヒアリングさせていただき、ご要望を明確にしていくことはシステム会社の実力とも言えます。当社としても、御社の業務を想像し、話をお伺いしながら、ご要望を明確にしていきます。

登場人物を考え、開発範囲を明確に

「登場人物」を題材にご要望を明確にしていくプロセスをご紹介しましょう。

エンジニアX
当社担当エンジニアX

システムの使用イメージをもう少し具体的にしていきたいのですが、今回のシステムをご使用される「登場人物」を教えていただけないでしょうか?私が今、想像しているのは、

  • 本部職員の方
  • 校舎長の方
  • 保護者(生徒)
  • 先生(アルバイトの学生)

かなと考えていますが、いかがでしょうか?

お客様
システム担当お客様

今、考えているのは、本部と、校舎長と保護者ですね。アルバイトの学生さん向けの仕組みは、今のところ、必要性を感じていなのですが・・・。

エンジニアX
当社担当エンジニアX

なるほど、アルバイトの学生さん向けの仕組みは、今はお考えないということですね。

御社の事業を想像したときに、アルバイトの学生さんがシステムからシフト希望を出してもらうような使い方をすれば、学生さんは便利で喜んでもらえますし、給与計算まで一気にシステム上でできるように拡張していくことも可能かなと思ったんですが。

お客様
システム担当お客様

なるほど、シフトはこれまで通り各校舎で校舎長の責任で紙ベースでやってもらおうかと考えていたんですが、給与計算まで一気にできると便利ですね。予算に収まるか不安ですが、一応、見積もりに入れておいてもらえますか?

エンジニアX
当社担当エンジニアX

承知いたしました!お見積りを見て、予算感が合わなければ、この機能だけ削除することも可能だと思いますので、一旦、学生さんも使う前提でお見積りさせていただきますね。

このように、システムの使用イメージとして、「登場人物」を考えると、全体像が見えやすくなります。

誰向けにどんな機能を用意するのか?その機能に必要なデータは誰が入力しているのか?

非常に単純な例ではありますが、このような流れで、開発するシステムの範囲を明確にしていきます。

「登場人物」ごとに提供する機能

どういう使用イメージか、使用する登場人物を想像しながら、お客様とお話を進めていくと、大雑把にシステムとして開発しなければいけない範囲(開発範囲)が明確になっていきます。

エンジニアX
当社担当エンジニアX

ありがとうございます。それでは次に「登場人物」ごとに必要な機能をお伺いできればと思います。まだ、ご要望がまとまっていなければ、絶対に外せない機能をお伺いできるとありがたいです。

開発範囲が明確になってきたら、次は、それぞれの「登場人物」ごとに必要な機能をリストアップしていきます。

ただ、初回ヒアリングの段階では、それぞれの「登場人物」で絶対に外せない機能さえ明確になっていればお見積りは可能です。

絶対に外せない機能さえ明確になっていれば、こんな機能があったほうが便利では?この機能はこの機能を開発するために絶対必要。この機能はこの機能と統合すれば、個別では不要かな?など、弊社内で検討させていただきます。

例としていくつか機能をリストアップしてみましょう。

本部職員向けの機能

  • ログイン機能
  • 校舎管理機能
  • スタッフ管理機能(権限設定)
  • 学生アルバイト管理機能
  • 生徒管理機能
  • 請求管理機能
  • 授業コマ管理機能
  • 指導報告書管理機能
  • 希望シフト管理機能
  • 売上管理機能
  • 給与管理機能

ざっと思いついたものをリストアップしましたが、このような形で、各「登場人物」にどのような機能が必要かリストアップすることになります。

ご希望納期をお伺いします

エンジニアX
当社担当エンジニアX

ありがとうございます。大体、お見積りに必要となる情報をお伺いすることができました。これから、お見積りの作業に入りたいと思いますが、最後にご希望される納期をお伺いできますか?

お見積りする機能がある程度明確になりましたら、最後に、ご希望される納期をお伺いさせていただき、初回お打合せは終了となります。

お見積り作業に入ります

このような流れで、当社側のお見積り作業にはいります。システムの機能数や当社のリソース次第ではありますが、お見積りにはおよそ1週間程度お時間を頂戴しています。

ご要望のシステムを実現させるために、いろいろな角度から開発すべきシステムを検討させていただき、開発費用をお見積りいたします。同時に、ご希望の納期に極力間に合うようなスケジュールを組ませていただきます。

いかがでしたでしょうか?

システムの発注をされたことがなければ、お問合せ自体もご不安だと思いますが、当記事のような流れでご要望システムのお見積りをさせていただくことになります。

次の記事では、ご提案からご発注までの流れをご紹介させていただきたいと思います。